「オリンダのリストランテ」
アルゼンチンの映画です。
日本人にとって英語の響きは耳慣れていますが、スペイン語は普段あまり聞こえてきませんので、この映画では良い意味での違和感が心地よいです。
意味は全く分かりませんが、スペイン語の巻き舌を多用した独特の発音が好きで、スペイン語圏出身のミュージシャンに心奪われたりもしています。
外国の映画を観ることの魅力の一つには、ヴァーチャルトリップとでもいえるもしかして一生行くことのないかもしれない国の住人や、旅行者の気持ちになって自分を投影出来ることがあるのだと思います。
この映画の登場人物にとって、アルゼンチンは母国ではありません。
首都ブエノスアイレスで小さなレストランを経営するイタリア系移民オリンダと、ドイツからの旅行者ペーターとの心の交流を、彼らを取り巻く人々とのそれぞれの人間関係を交えながらストーリー展開していきます。
地味でありながら美しく彩られた映像と、日本人が表現するのとは種類の違った優しさの表現にほくそ笑みながら幸せな2時間を過ごせました。
料理好きにとってはキッチンのシーンも興味深かったです。
地球の真裏の国で作られた素晴らしい雰囲気の映画でした。